認知症臨床判定基準
(柄沢昭秀『老人のぼけの臨床』1986)
  判定 日常生活能力 日常会話・
意思疎通
具体的表示
認知症
なし
(-) 社会的・家庭的に自立 普通 活発な知的活動持続(優秀老人)
(±) 同上 同上 通常の社会活動と家庭内活動可能
認知症
(異常な
知能衰退)
あり
軽度
(+1)
・通常の家庭内での行動はほぼ自立
・日常生活上、助言や介助は必要ないか、あっても軽度
・ほぼ通常 ・社会的な出来事への興味や関心が乏しい
・話題が乏しく、限られている
・同じことを繰り返し話す、尋ねる
中等度
(+2)
・知能低下のため、日常生活が一人ではちょっとおぼつかない
・助言や介助が必要
・簡単な日常会話はどうやら可能
・意思疎通は可能だが不十分、時間がかかる
・今までできた作業(事務、家事、買い物など)にミスまたは能力低下が目立つ
・なれない状況で場所を間違えたり道に迷う
・同じ物を何回も買いこむ
・金銭管理や適正な服薬に他人の援助が必要
高度
(+3)
・日常生活が一人ではとても無理
・日常生活の多くに助言や介助が必要、あるいは逸脱行為が多く目が離せない
・簡単な日常会話すらおぼつかない
・意思疎通が乏しく困難
・なれた状況でも場所を間違えたり道に迷う
・さっき食事したこと、さっき言ったことすら忘れる
最高度
(+4)
・同上 ・同上 ・自分の名前や出身地すら忘れる
・身近な家族と他人との区別もつかない
注)-、±、+、+1、+2、+3、+4:判定基準(原則として程度は重い方を重視する)