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【どんな病気】
かぜ症候群とは、急性の上気道の炎症性疾患の総称で、主としてウイルスの感染が原因ですが、まれに、細菌、クラミジア、マイコプラズマなどの感染によることもあります。また、感染とは関係なく、寒さや化学物質の吸入やアレルギーなどにより引き起こされる場合もあります。
図1に示すように、大部分がウイルスが原因で、特にライノウイルスの頻度が高く成人の多くはこれによります。小児では、アデノウイルス、パラインフルエンザウイルス、RSウイルスの頻度が高くなります。インフルエンザも一般的にはかぜ症候群に含まれますが、重症化することがあるため、別項で述べることにします。
図2に、呼吸器系の構造を示します。かぜ症候群は、主として、上気道、つまり、鼻腔〜咽頭〜喉頭に起こり、急性上気道炎、感冒などともよばれますが、時には、それ以下の気管〜気管支にも波及することがあります。通常は1週間前後で治癒し重症化することは稀です。しかし、細菌感染を合併したりすると、症状が重症化し、呼吸器症状に加え発熱、筋肉痛などの全身症状が出てくることがあります。
【どんな症状】
くしゃみ、鼻水、鼻づまり、のどの痛み、咳、痰などの呼吸器症状が主な症状ですが、発熱、食欲低下、全身倦怠感、頭痛、筋肉痛、関節痛などもよく見られます。その他、吐き気、嘔吐、腹痛、下痢などの消化器症状を伴う場合もあります。大部分が1週間前後で症状は消失し治癒します。しかし、呼吸器症状が長引いたり、微熱が持続する時は他の合併症を考えて検査を受ける必要があります。特に免疫能力が低下している高齢者や乳幼児の場合はあまり軽視してはいけません。
【どんな診断・検査】
通常は、臨床症状だけで診断がつくためあまり検査はやりませんが、血液検査で、ウイルスの感染を示す白血球の減少を認めることがあります。また、炎症の指標であるCRPも上昇しないのがふつうです。逆に、血液検査で、白血球の増加やCRPの上昇が見られたら、ウイルスよりもむしろ細菌感染の可能性か細菌感染の合併を考える必要があります。
診断を確定するためには、血液検査でウイルスの抗体価が上昇していることを証明しなくてはなりません。しかし、一般的には、症状が軽度で、すぐ治癒するのがかぜ症候群ですからそこまではやりません。しかし、インフルエンザの可能性が疑われるときには、検査を行うべきでしょう。その理由は、次回で詳しく述べますが、インフルエンザは重症化する危険性があることと、最近特効薬が開発されたため、早めに診断すれば有効な治療が可能だからです。
【どんな治療法】

通常は、安静を主体とした対症療法が治療の中心です。 熱があって身体がだるければ、非ピリン系の鎮痛解熱剤を用いますが、安易な解熱剤の投与は重篤な合併症を招く危険性があります。 特に、インフルエンザの時のアスピリンの服用は、脳炎、脳症の危険性が高まるとされ使用を控える方がよいでしょう。
乳幼児では特に危険です。他の鎮痛解熱も同様の危険性がありますから、薬を服用せずに、安静と氷枕だけで軽快すれば理想的です。しかし、症状が強くてどうしても服薬が必要な時には、アセトアミノフェンが比較的安全だとされています。
かぜ症候群はウイルス感染ですから、基本的に抗生物質は効きません。 ですから、抗生物質の投与はあまり意味がありません。しかし、細菌感染の合併が疑われるような症状、つまり、痰に色がついたり、ねばねばした汚い痰がでたり、のどの痛みに加え白苔が見られる時には抗生物質の投与が必要になります。また、熱が1週間以上続く時にも必要になるかもしれません。
いずれにしても、1週間前後で治癒しない時は、医療機関を受診して検査を受け、投薬が必要かどうかを調べてもらった方がよいでしょう。 |