脳卒中治療ガイドライン(2004)に沿った脳卒中の治療法
高血圧性脳出血 治療法ガイドライン
監修:昭和大学 藤が丘病院
脳神経外科
鈴木 龍太
icon脳卒中の予防とリハビリテーション


 日本では1965年から脳卒中による死亡率が減少していますが、その大きな原因は脳出血死亡率が劇的に低下したことです。これは高血圧の治療や食塩を減らした食生活の変化によるものです。しかし日本では脳出血の発症率は諸外国の2−3倍と依然として高く、注意が必要です。 脳出血イメージ

脳出血の予防
グレードA
(強く勧める)
降圧剤による高血圧の治療。
グレードB
(やったほうが良い)
塩摂取制限、肥満、運動不足解消、バランスのとれた食生活をする。
コレステロールの低い人は栄養状態を改善する。
 血圧の高い人は降圧剤による治療が絶対に必要です。また今までは高脂血症に対して治療をすることが脳卒中の予防になると述べてきましたが、コレステロールが低すぎると脳出血を起こします。これは全身的な栄養状態が不良なことを示していて、バランスの良い食生活をすることが大切であると言えます。

脳出血の治療
グレードB
グレードC1
血圧の管理
脳出血を発症したときは血圧が高いのが普通です。血圧を下げたほうが血腫の再増大が少ないことが報告されていますが、きちんとした報告はありません。目安として収縮期180以下、拡張期105以下にすることが薦められます(グレードC1:やっても良い)
再発予防には拡張期血圧を75−90に維持することが進められます
(グレードB:やったほうが良い)
グレードB
(やったほうが良い)
脳浮腫の管理には高張液グリセロール投与が推奨される
脳出血が起こると血腫周囲に脳浮腫が起こり、脳が腫れて、脳圧が高くなります。これは発症から1−2週間続きます。この脳浮腫を軽減するためにグリセロールの注射が有効です。
グレードB
(やったほうが良い)
痙攣の管理
脳出血では7−15%に痙攣発作を合併します。また2週間以内に痙攣を起こした人はあとで痙攣が再発する率が32%と高いので、高痙攣剤の投与が必要です
グレードC1
グレードD
脳出血の手術
10ml以下の脳出血では手術適応はありません
(グレードD:やってはいけない)
大きな出血で生命に関わるような場合や小脳の直径3cm以上の出血は手術適応がありますが、きちんとした報告はありません
(グレードC1:やっても良い)
脳動静脈奇形からの脳出血
グレードB
(やったほうが良い)
 脳動静脈奇形は100万人に12.4人の発症でその58%が出血で発症しています。一度出血した脳動静脈奇形は再出血が多いので外科的治療を考慮したほうが良いです。ただし、脳動静脈奇形は大きさや、場所、構成によって治療の難易度が変わります。また治療法も外科的摘出術、脳血管内治療、ガンマナイフなどの種々の方法があり、主治医と相談の上最も良い治療法の組み合わせを決めるべきです。
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