特定非営利活動法人 標準医療情報センター

先端医療検査(脳MR検査)

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脳梗塞イメージ  脳梗塞は細い動脈が原因となるラクナ梗塞、動脈硬化により血管が細くなりそこに血栓がつまるアテローム血栓性脳梗塞、心臓から血栓が飛んで脳の動脈を詰めてしまう心原性脳塞栓、その他に分類されます。それぞれ病態が違い治療法も異なります。
小渕首相についで長嶋オリンピック監督も脳梗塞で倒れましたが、お二人とも心原性脳塞栓による脳梗塞です。これは心房細動が原因のこと発症から3時間以内でCTスキャンで梗塞所見がまだ出ていない場合に組織プラスミノーゲンアクチベータ(t−PA)を静脈注射し血栓を溶かす(グレードA:強く勧める)ことが多く、脈が一分間に200回くらい打って動悸がするものです。

○ 脳梗塞急性期

 病態によっては発症から数時間以内に治療が開始されれば治すことが可能な病気として注目されていますので、症状が起きたらすぐに脳外科か神経内科のあるちょっと大きな病院へ行ってください。ここではまずグレードA、Bを示します。

I まず詰まった血栓を溶かす治療をします。

発症から
3時間以内
1.血栓溶解療法(経静脈内投与)(グレードA:強く勧める)
発症から3時間以内でCTスキャンで梗塞所見がまだ出ていない場合に組織プラスミノーゲンアクチベータ(t−PA)を静脈注射し血栓を溶かす。

t−PAによる治療は2005年10月より保険適応が認可されました。
しかし、発症3時間以内に病院で治療開始できる例は少なく全体の2−3%でしかありません。また3時間以内であっても患者さんの状態で実施できないことも多くあります。またあまり軽い症状の場合は行いません。
副作用は脳出血の危険があることです。現在日本でも臨床試験中で、近い将来標準的治療となるかもしれません。
6時間
以内
2.血栓溶解療法(経動脈的投与)(グレードB:やった方が良い)
発症から6時間以内に治療が開始でき、CTで梗塞所見がまだ認められない例で詰まった脳血管にカテーテルを入れt−PAによる血栓溶解を行う。

脳血流が35%未満と非常に低くなっている場合にこれを行うと脳出血を起こすことがあります(グレードD:やってはいけない)。血栓溶解は心原性脳塞栓に有効です。
48時間
以内
3.抗凝固療法(グレードB:やった方が良い)
発症48時間以内の脳梗塞アルガトロバン(薬品名ノバスタン、スロンノン)投与は進められる。脳血栓症に特に有効である。
5日
以内
4.抗血小板療法
4−1.オザクレルナトリウム(薬品名カタクロット、キサンボン)は発症5日以内の脳血栓症の症状を改善させる。
(グレードB:やった方が良い)

4−2
.アスピリン160−300mgの経口投与は発症48時間以内の脳梗塞の治療法として薦められる。
(グレードA:強く勧める)

II 血栓が溶けないで脳梗塞ができてしまうと脳に水がたまってきて(脳浮腫)脳が腫れてきます。また梗塞周囲の脳はまだ生きていてその部分を救わなければなりません。そのためには以下のことが勧められます。

(グレードB:やったほうが良い)
1.脳浮腫管理
高張グリセロール静脈内投与
2.脳保護薬
24時間以内のエダラボン(薬品名ラジカット)投与は推奨される。
ただし腎不全等の副作用も報告されているので流動的。
3.開頭外減圧療法
一側大脳半球梗塞で70歳未満、進行性意識障害がある例では救命目的で手術で頭蓋骨をはずす開頭減圧療法が有効である。

グレードC1(やっても良い) 一般的に行われています。
・ウロキナーゼ6万単位の5日間連続静脈注射
これは日本で一般的に行っている治療法ですがt−PAのように劇的改善が見られることはほとんどなく、症状が少し改善するかもしれないというレベルです。
・発症48時間以内のヘパリン投与高圧酸素療法
・血液希釈療法
・低体温療法
・緊急頚動脈内膜剥離術、ステント留置術

グレードC2(やらないほうがいい) 少し前まで使われていました。
ステロイド(副腎皮質ホルモン)療法

以上のグレードA、Bのみのガイドラインをまとめると実際に日本でできることは限られてしまいます。

心原性脳塞栓の場合
3時間以内であればt−PAを静注するか、
6時間以内であれば経動脈的血栓溶解を行います。

それ以上時間が過ぎた場合は血栓溶解はできないので、アスピリンの経口投与、グリセロール、アルガトロバンの静注で経過を観察し、意識障害が進行する場合は頭蓋骨をはずす手術が必要になる場合があります。

アテローム血栓性脳梗塞では
血栓溶解ができるチャンスは少なく、アスピリンの経口投与、グリセロール、アルガトロバン、オザクレルナトリウムの静注で経過を観察することになります。
グレードC1の治療がこれに適宜加わることになり、そこで少しずつ違ったものになります。

しかしガイドラインは時代に合わせてどんどん変わっていくものです。新しい治療法が開発されて脳梗塞の患者さんが大勢社会復帰できるようになってほしいと思います。

○ 脳梗塞慢性期

 脳梗塞の急性期治療が過ぎるとリハビリテーションと再発予防が主な目的になります。

危険因子の管理と再発予防

脳梗塞を起こした人が再発しないためにどうしたらよいか

(グレードA:強く勧める)
1.脳卒中の予防で挙げた高血圧、糖尿病、高脂血症、心房細動、喫煙、大量の飲酒、無症候性脳梗塞のうち、高血圧の管理と心房細動に対するワーファリン使用のみがグレードAで予防効果が証明されていますが、あとの因子は全てグレードC1です。
2.脳血栓性脳梗塞の再発予防には抗血小板薬の投与が推奨される。
動脈硬化で血管が細くなって脳梗塞になるものを脳血栓といいます。日本で使用する薬はアスピリンの小児量、チクロピジンやシロスタゾールなどです。アスピリンは少量で、20%程度脳梗塞や心筋梗塞を予防します。
ワーファリンもアスピリンも出血した場合に血が止まりにくくなります。手術や抜歯、内視鏡の検査などを行うときは1週間前には薬を飲むのをやめておかないといけません。また大怪我をしないように注意しましょう。
3.症候性頚動脈狭窄が70%以上の人は頚動脈内膜剥離術をしたほうが良い。
無症候性の場合と同じで軽い脳梗塞や一過性脳虚血発作(TIA)を起こしていて頚動脈が狭窄している人には手術で動脈硬化を取り除くと(頚動脈内膜剥離術)再発がふせげます。最近では手術の変わりにステント留置術を行うことが多くなっていますが、まだ新しい治療法なのでデータが少なくガイドラインではC1となっています。以前行われていたバイパス手術は脳の血流検査をして脳循環予備能が低下している(脳の血管がもう開ききらなくなっている場合)ことが証明された人にのみ適応があり、今はあまり行われません。
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